劇団 「むさしの座」― 私たちの考え


■ 基本理念

素人でも必死になって演ずればプロ以上の舞台が作れるという信念を持ち、演劇文化を社会に広め、現代に生きる人達に人間的な愛の大切さを伝えることを目標に、舞台活動を続ける。

 

■ 基本システム

1) 参加者は、参加期間中は、月会費(1,000円)を劇団に支払う。※学生500円

※月会費は、公演のための費用(衣装代、装置代、会場代など)であり、授業料、講習料等に値するものではありません。

2) 公演参加費は無料だが、劇団予算が不足した場合は、公演参加者が公演に必要な不足分を割り勘で負担する。

※月会費や公演不足分を支払うことにより、必ずしも俳優としての出演を保証するものではありません。劇団はあくまで、全員でひとつの作品を作り上げる過程こそ演劇活動とし、その点では俳優もスタッフも、主役もそうでない人も同じで、特別な差はないと考えます。

3) 無料公演のため、チケット販売のノルマ等はないが、すべての劇団員は、ひとりでも多くの人たちに「むさしの座」の芝居を観てもらうための宣伝努力を惜しまない。


4) 演劇は総合芸術であるため、俳優として出演するだけが劇団員の役割と考えず、出番のないときはスタッフとして俳優と同様に積極的に参加し、劇団スタッフとしての技術向上に努める。


5) 上演候補作品は、随時誰からも募集する。候補作品の提出のためにかかる費用(原本購入費、印刷費など)は原則として提出者負担とし、適当な部数を印刷し劇団に提出する。提出された台本は公演と公演の合間にみんなで最低一回は読み合わせを行い、劇団員の戯曲研究に役立てる。

 

■ 禁止事項

参加者間でのネットワークビジネス・マルチビジネス・政治・宗教・思想団体等への勧誘・宣伝行為は一切禁止する。

 

■ 公演までの基本的な流れ

 1. 制作が公演を企画し、演出を選定する。

 2. 公演参加希望者を募り、各人の都合・希望をもとに、制作と演出で話し合い、候補作品の中から上演作品を仮決定する。


 3. 演出が配役を考え、出演候補者に直接出演交渉を行う。候補者が出演を断った場合、第二候補者以降に同様に出演交渉を行う。


 4. 同時に制作と演出は、スタッフ候補を選考し、候補者にスタッフとしての参加交渉を行う。
出演者とスタッフが揃い条件が整えば、上演作品を本決定とする。条件が整わず、上演が困難と判断されたときは、再度制作と演出で話し合い、別の作品を検討 する。

 

演出 ポリシー ― 広石一人

1) 約束を守る。

 演劇はすべて、人と人の約束から成り立っています。観客と公演日を約束する、演出やスタッフ、相手役と稽古時間を約束する、相手役と演技プランを約束する、などなど、約束の守れない人に演劇はできません。稽古の約束は必ず守ってください。やむをえず遅刻・欠席するときは必ず制作か演出に連絡してください。そしてもっとも重要な、公演日の約束は、どんなことがあっても必ず守ってください。


2) 自分で創る。

 俳優は人形劇の人形ではありません。演出家の指示を待つだけではなく、自分自身で創造することを常に心がけてください。演出はそれに対して、少し違ったヒントを出すことも、まったく正反対の指示を出すこともあるかもしれませんが、あなた自身が創り出したものこそ、舞台作りに不可欠の、大切な土台になることに変わりはありません。逆に、演出家の頭の中だけで考えたものほどつまらないものはありません。俳優ひとりひとりの感性こそが舞台を構成する、もっとも貴重な資源なのです。


3) 努力を惜しまない。

 妥協をしないでください。「アマチュアだから・・・」というのは、ただの言い訳です。もしも劇団がほんの気まぐれで、入場料を100円に設定しただけでも、社会的にはあなたは立派なプロなのです。実際、プロと呼ばれる俳優たちも、演劇だけで生活が出来ている人たちは、ほんの一握りなのです。それだけの違いなのです。劇場に足を運んでくれる人たちは、たとえお金を払っていなくても、貴重な時間を割いて私たちの演劇を観に来てくれるのですから、その大切な人たちの期待を裏切らないために、より満足していただくために、最大限の努力を惜しまないでください。
 

4) 宣伝する。

 公演の一番の宣伝マンは出演者自身です。もちろんスタッフも宣伝努力をしますが、「私が出演しますので是非観に来てください」という言葉以上の力を持つ宣伝文句はありません。ひとりでも多くの人たちを呼んでください。チラシが余ったら、街角で手渡しで配ってください。スマートフォンやパソコンを持っていたら、SNSや掲示板で宣伝してください。俳優の仕事は演じるだけではありません。観てくださる人たちがいて、初めて演劇は成立するのです。

 

  令和3年12月改訂